虚の玉座に座るべきもの

これは、私は悪くないと思う。

ONE PIECEをハックするといっても、探ろうとして触った場合と偶然観てしまったものは違う。・・・あえていえばカート・ヴォネガットが悪い。
先に書くつもりだった「ねぇマザーの怪」は、マザー・カルメル、おまえ「つる」だろ、という話だ。

不老不死といっても、手塚治虫「火の鳥」のように、ヒナに戻って成鳥になりまた炎の中でヒナになる。そういう無限ループもあれば、グリーンマイルのようにいずれ死は訪れるはずだが「あまりにも長すぎる」生という形もある。

しかしホールケーキアイランド編に手をつっこむということは、ルイス・キャロルがつきまとう。「不思議な国のアリス」も「鏡の国のアリス」も、もうあまり関わりたくないお腹いっぱいなのだ。

少女が無事大人になるために知らなければいけない寓話だと?キチガイ帽子屋の話、キチガイお茶会の話。ペローの赤頭巾ちゃんにしてもそうだ、男はみんな狼なのよ、そんなのはキャンディーズの「あの人は悪魔ぁ」を聞けばよろしい。

「優しい悪魔」マイスゥイートリトルデビル

ヴィンスモーク・サンジのテーマソングだ。
イワンコフが、インペルダウンでおかまを「キャンディたち」と呼ぶのはそういうわけだ。

これに対して、ピンク・レディは「地球の男に飽きたところよ」とUFOを歌った。昭和歌謡、怖いっしょw
美空ひばりを超えて歌姫を標榜するためには、あらゆる文芸・音楽の知識とテクニックを総動員しないと対抗できない。ついでにゼロ地点、並木路子「リンゴの唄」も聞いておくんない。


「羊の家」というからには当然、メリー号のクラバウターマン、船の精霊と対になっている。執事のメリーを想像しても、そのそばには「クラハドール」がいた。黒猫サッカリー・ビンクスを思わせるキャプテン・クロ、猫だ。

それにしてもONE PIECEは、なぜサンジの夢を追っていくともつれた糸玉がするすると解けていくのかと不思議に感じていた。

彼は、チーム「西遊記」の両雄を担う一人三役だ。豚の尻尾みたいなまゆげと、青黒くて気持ちの悪い水辺の男・沙悟浄と二役をこなし、エロガッパとも呼ばれつつ、チーム「八犬伝」宝珠「智」も担う。

9人目に全身骨のブルックが登場して、やっと沙悟浄が首から下げている「髑髏(ドクロ)九つ」が絵として完成するまで、西遊記チームはナミさん・サンジ・ロビンちゃん「小悪魔・悪魔の家系・悪魔の子」の三人組。
サンジには女性クルーだけエコ贔屓する大義名分まで隠されていた。

そして夢は「オールブルー」とONE PIECEの世界でしかかなわない夢だから、わかりやすくも美しい。だが人魚姫も夢なんだとか。


私はけして悪くない。その話に戻ろう。
カート・ヴォネガットの小説「ホーカス・ポーカス」を読んだことがある。

ベトナム戦争中にばかげたスピーチ、ホーカス・ポーカスで新兵を鼓舞していたハートキは、帰国後、勤めていた大学を首になり、日本人が経営する刑務所の教師になる。だが、そこで大脱獄事件が発生した……ハートキがたどる波瀾の人生。

電子書籍「BookLive」からの引用だ。

黒猫ビンクスが出てくる「ホーカス・ポーカス」とはまるで違う。
題が「ちちんぷいぷい」のような意味らしいから重複は誰のせいでもないが、(ホーカス・ポーカスってそんな話だったっけ??)と戸惑った私は、ディズニーの映画「ホーカス・ポーカス」を観てみたいとなり、一ヶ月契約するつもりで観た。

大ヒットしたそうだが、古い映画だし大人が見て今そんなにドキドキ盛り上がるかといったら微妙。で、続けて「スチームボートウィリー」を観た。
グリーンマイルのあとがきでも、フロリダのネズミ園は設定として「優しい嘘」たりえるか、とディズニーランドと時代考証で話題になっていた。
ミッキー・マウスの原点だ。私はよく彼のモノマネをする。

そして一般常識として「アナと雪の女王」を観ておこうかな、と。


本当に悪気はなくてONE PIECEのことばかりで頭をいっぱいにして不健康な考察者を見ていて、少しゾッとしたのだ。

前述のとおり「つる」を気にして、いつ何話にどう出てきたかググる。すると、つるが30人くらい子どもを産んでいて、クザンも息子でうんたらかんたらとすごい妄想を展開しているんだが、マザー・カルメルが「つる」なら、海軍やCPにガキ売り稼業でどんだけ送りこんだ・・・と思っている私と、歪んだ鏡のあちらとこちらにいる。

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ

だから君子は深淵には近づくべからず、なのだ。人生を損ねないための鉄則。
深呼吸して、離れて、忘れろ。それしか逃げ道はない。


あぁでもね、私は冨樫義博の描く深淵はずっと待っている。
ルフィのちょっとズレているは、あれだ・・・予想の斜め上をいくは、角度はどの斜めだっけ、なんて調べて、うわーぉそうだ「レベルE」クラフトが言い出したんだったなと苦笑い。角度とかないから。バカ王子に。笑

もうこの悪い方角へ向いた頭をすっきりさせよう。せっかくだから息抜きにディズニー観ましょう、アナ雪も観てみよう。と

わかりやすくて、ミュージカル要素もあり楽しかった。が見終わったあと

大変なものを手放したな

とシン、と頭が呟いた。

ディズニーは「アナと雪の女王」の大ヒットと引き換えに、「雪の女王」カイとゲルダの物語を封印している。

バッド・エンディングの旗幟「ハンス・クリスチャン・アンデルセン」の世界観は、なるほど子どもと家庭の笑顔を標榜する現ディズニーには捨て去られる要素たっぷりだ。「ぶた飼い」王子の絵本ももうないんだろう。

それでも「愛が氷を溶かす」大命題は捨てきれず。アナ雪もあの大ヒット。
ヒョンビンだって「雪の女王」やってたがな。忘れられないくらい強烈に惹かれてしまうタイトルなんだね、きっと。


PTAにも好かれたい

ふ。アンデルセンは批評に弱く、びーびー泣くような人だった。
どこで読んだか忘れたが、「火うち箱」「豚飼い」「スズの兵隊」そして「人魚姫」もアンデルセンが大好きで片時も忘れたことのない私は、何度も調べているので覚えている。

批判に弱いけども、気が強いからけっきょくまた自分独自の世界を描いてしまうアンデルセン。大好き。


つるの「ウォシュウォシュの実」は洗濯された相手は洗濯物のようにペラペラになり、洗濯ばさみでロープに干すことも可能。洗濯された人間は心も洗濯され、悪人は少し改心する。

アンデルセンの母親は「洗濯婦」
父親は「神は自分たちと同じ人間だ。悪魔は自分の胸の中にいる以外にない」などと発言するような合理的な考え方の人物だった。

「・・・答えを言え・・・おれは今・・・何を殺した」「ヘビだ」

ONE PIECEの最高シーンを彷彿とする。もぅ今、片腕ビュンビュン伸ばして(ヒューヒュー♪アンデルセーンっ)と騒ぎたい。←少し元気になってきた

アンデルセンは約170の作品を遺している。
世界政府加盟国が約170カ国
わかる印を残して読み進めるトレジャーボート(プレジャーボートから造語)


私にも「空の玉座」があって、むかしMHKの教育テレビで見た人形劇。というか藤城清治のような影絵かな、イザナミ・イザナギのように黄泉の国へ愛しい者を奪り返しにいく物語は古今東西たくさんあるのだが、母親が、たくさんの死者の「心臓」の中から、自分の亡くなった子どもの「心臓の音」を選びだせれば返してもらえるという物語。

あの番組のオンデマンドをずっと探している。そして誰が書いた物語かはもう知っている。アンデルセンの「ある母親の物語


ONE PIECEに花があふれている理由、とりわけバラが目印になっている理由、人魚姫、鏡、氷、くまのプーさん

だんだんとディズニーに近づくようで離れてはまた近づく。
西遊記も南総里見八犬伝も最後はみな立ち去っていく。
ドラゴンボールも「ウーブ」と後進育成に旅立つ悟空が好きという人は多い。

雪の女王のあらすじをみれば、鏡と氷の意味を思い出す。
そしてジブリの映画『雪の女王』新訳版公式サイトへ行くと、サボが木靴の名である理由、17歳のルフィが小舟で海へ出た理由もわかる。

木靴を川に浮かべ、少女ゲルダは裸足になって旅立つ
同時上映「鉛の兵隊」
ドレスローザ編でなぜ気づかなかったか・・・

1957年の映画だそうだ。ジブリは2007年に上映。


マリージョアは、契約の城、契約結婚の喜び、MarryJOIE
86巻「KXランチャー」868話のキャベンディッシュの表紙で気づく。
MARRY ME❤️という帆の船が追っかけてくる。

KXランチャーはこの世になくて、XのフォントがHに見えるようにしている。
63年前ーマザー・カルメルと子供達の失踪事件ーという回で、(海軍本部KHランチャー)としか読めなくなったら、ブル「ジョア」王国王子キャベンディッシュのバナナ名前に納得する。

マリッジは日本に元々なかった概念で翻訳するのに結婚という言葉が生まれたそうだが、婚約のエンゲージメントはそも契約のことだし、ステリーとなんとかネットをみるに、政略結婚というよりは「契約」結婚で、約束の船・契約の城、が対比しやすい。

JoyじゃなくてJoieだろうと引くと、結婚指輪の情報で溢れる。
「Joie de treat」というジュエリーメーカーの説明が

“JOIE”とは、フランス語で「喜び」。 身につけたときに喜びを感じるジュエリーを、という想いからJOIE de treat.

ハロウィンは「Trick or Treat」
ビッグ・マムは「Life or Treat」
ナミさんは「Life or ベリー」


ハンス・クリスチャン・アンデルセン「雪の女王」

ある所にカイという少年とゲルダという少女がいた。二人はとても仲良しだった。しかしある日、悪魔の作った鏡の破片がカイの眼と心臓に刺さり、彼の性格は一変してしまう。その後のある雪の日、カイがひとりでソリ遊びをしていたところ、どこからか雪の女王が現れた。そして、魅入るようにして彼をその場から連れ去ってしまった。

春になると、カイを探しに出かけるゲルダの姿があった。太陽や花、動物の声に耳を傾け、少女は旅を続ける。花園のある魔女の家でカイを探しに旅に出た事を魔法で忘れさせられるが、薔薇の花によって記憶が蘇り再び旅に出る。途中、王子と王女の助けによって馬車を得るものの、それが元で山賊に襲われる。あわや殺されようとするところを山賊の娘に救われたゲルダは、娘が可愛がっていた鳩に、カイは北の方に行ったと教えられる。山賊の娘が用立ててくれたトナカイの背に乗って、ゲルダはとうとう雪の女王の宮殿にたどり着く。

カイを見つけたゲルダは涙を流して喜び、その涙はカイの心に突き刺さった鏡の破片を溶かす。少年カイは元の優しさを取り戻し、二人は手を取り合って故郷に帰った。


尾田栄一郎への疑問

私は、カイルスという名前の猫を飼っている。
親元から名付けられていた名で、こんなセンスの良い名前は捨て去れないと、私に譲ってくれた買い主がそのままにし、私もその名で呼ぶ。
あだ名としては「カイ」くんだ。

大きな青いオス猫に、天空神「ウーラノス」別名・ローマ神話カイルス(Caelus)

まっこと親元さんはセンスがあるのぉ、としばしば感心してきた。
カイルスは広島県生まれだ。

さて、ONE PIECEを読み進めてきて、カイくん古代兵器にされちゃっとるがな、まいったねぇ、あっはっはっはと笑っていた。

しかしやがて「ウラヌス」はウラン・ウラニウム、天王星(Uranus、ウラヌス)の名に由来すると気づく。原子番号92:Uran-ium

カイくん汚名が晴れたねーと笑う。

だが最後に「雪の女王」が虚の玉座に当てはまると気づく。
カイとゲルダの物語。バラが記憶を呼びさます、ゲルダの涙がガラスの欠片を洗い流し呪いが解ける物語。

ここにも「ONE PIECE」ひとかけら。
そこで一つの疑問が生まれた。

この作者は、ウーラノスが別名「カイルス」であることも設計に入れている。
我が家は最初から人も猫も、作者の掌の上でとびまわってきたとまた笑う。

気持ちのいい空の旅をありがとう。