ネフェルタリ・D・リリィはモモの助の母

ネフェルタリ・D・リリィはモモの助の母

まだ読んでないことを書くな。という気はしなくもないが、ワノ国編が終わった時点で、ちゃんと伝わるように描いてあった、を「あとがき」のように書きたくなったのがはじまり。

先読みサイトで「ネフェルタリ・D・リリィ」の名がやたらとお題になっていたので、ドラゴンボールにそういうのあったかなと考えて、トランクスを思い出した。

前記事「天竜人は900年前の人質」を確信していたため、900年前のアラバスタ王が国に戻らず、マリージョアから忽然と姿を消したというなら、「トキトキの実」で逃げたーとすんなりとストーリーが繋がっていく。


プルトンから天竜人まで、私の想像がきちんと物語の中に描かれているかヒント探しで読み直した際に、アマゾン・リリーの蛇姫、ボア・ハンコックが「ドラゴンボール」のチチの美しいパロディだと気づいていた。

キャラクターは最初に登場したときの衣装が大事で、チャイナ・ドレスはチチが結婚後に着ていた。「ドラゴンボール」2巻で登場したときは、アマゾン・リリーの戦士たちのようなビキニスタイル。

ハンコックの性格はンマーあのとおり、チチだ。笑


アマゾン・リリーの山肌にある住居は、中国に実際にある土地をモデルにしているそうだが、トニー・レオンの「レッド・クリフ」の冒頭で、劉備軍の砦もあんな山肌にあったのを想いだした。
つまり赤壁の戦い・レッドラインを連想した。

ふ。写真をいま見ると、山西省の赤壁には「赤壁」と赤文字で掘ってあって、懸空寺のまわりにも「玄空閣」やら「壮観」とか、中国はワイルドか。


海の森のフランキーとデンの会話

私は、魚人島編のフランキーのこのセリフが大好きで、一度も忘れたことがない。

素材はドラゴンボールと同じ、西遊記と南総里見八犬伝、仲間集めとバケモノみたいな敵と戦っていく、そういうことかと思いきや、全面的に「原典」として西遊記と八犬伝を絶妙な忠実さで再現し、そのうえDBのオマージュもやると。

であるなら「トキトキの実」は、映画「ターミネーター」の反転版。
ドラゴンボールは人気が高すぎて、どんどん物語が壮大になっていき、宇宙まで広がったときに「ターミネーター」をパロディしてトランクスを登場させた。

「ターミネーター」は未来から男が来て、サラ・コナーという普通の女の子を守り、やがて未来の英雄ジョン・コナーが生まれる。

だから光月トキ、光月・兄妹の母ではなく「ジョン・コナー」の母=モモの助の母。


アマゾン・リリーがあり、「リリィ」と言われて連想すれば、蛇姫とネフェルタリ・コブラの名は同じ蛇。

900年前の祖先と現代人が似ている必然はないが、漫画には絵の説得力がいる。
「ジュクジュクの実」で一気に大人になったモモの助は、誰よりもネフェルタリ・コブラに似ていると思う。

そうだ!

そう強うぅぅく思った根拠は、ワノ国とアラバスタの集団・入浴シーンの多さ、とつまりモモの助の「スケベ」さだ。

コブラのあれはモモの助の血だよ、と逆にするとピンときませんかね。


そう思って、光月トキはどんな人物像だったかと読み直したら、少し切なくなった。
もっと毅然として「運命の子」を産む、みたいな覚悟で未来へ来たのかと勝手に想像していたが、それはあまりにもサラ・コナーだった。

「誰かがなんとかしてくれていると思ってた」と、戦場から命からがら逃げ出してきただけの女の子。
覚悟が決まるのはサラと同じ、愛した人が亡くなってからで「二十年の・・・」と叫ばれた言葉は、900年前の誰かの予言の言葉を、数字だけ入れ替えて唱えたのでは、と感じた。

九つの影・・・というのが不吉なんだが。チョッパーが小さいままなら、九つの影とも言えるなと。


最終章前のグランドラインは、「アラバスタ編」からはじまり「ワノ国」で終わった。
あ行にはじまり、わ行で終わる。
章のはじまりで「現」アラバスタ国王の窮地を救い、章の終わりで900年前のアラバスタ王の息子を救った。

物語とは、このようにつくるのです。と教えられている気になる。私は書かないけども。美しいプログラムだし、美しい小団円は、どんな大団円へ導かれるのかと、わくわくさせる。

ワニと海峡のジンベエ

ワニの謎がどうしても解けなくて。それから海峡のジンベエが、インペルダウンで何故「マゼラン」海峡としか思えないマゼランと同時に登場するのか、それも解けず。

ONE PIECEの表紙には、ワニとサイがよく出てくる。もちろんサメもそれ以外の動物も多数でてくるけれど。
ワニはクロコダイルなので、気になる。

でもドレスローザで「因幡の白兎」を子分盃の方々が船でやっているのを見て、推測だけど、やはり古事記の「因幡の白兎」を誰が助けたか、ワニかサメかどっちなんだ問題にかけて、アラバスタを襲ったワニにはじまり
ワノ国で一味に加わったのはジンベエ・サメという「結び」なのかなと思いました。

川に生息するワニが、海を渡るうさぎをたすけるのは、変だろう・・・というのがワニ・フカどっちだ問題なので、「海峡」せまいよね、うさぎも渡りそうだよね、とマゼランと同時出演だったのかしらんと。


完の璧だぜぇ、と精巧さにこだわる職人気質のような。
と、これはあくまでも私個人の想像。

後日追記

すぐ上のワニとフカ(サメ)については当たっていました。インペルダウン編を別記事のために捲り返したとき、クロコダイル・ルフィ・ジンベエが大きく三人並んだコマがあり、二人はもちろんルフィを助け、インペルダウンから抜け出す際にはジンベエがサメの群れを呼び、因幡の白兎を再現していました。

細川ガラシャ

Dが「ドラクロア」だと知ったときに、ミンク族の壮絶な秘匿や、オトヒメの踏み絵などすべてが繋がっていき「バテレン」という言葉が浮かぶわけですが、そのときに「ガラシャ!」とどこかにメモっていたのに、細川紋:細川の離れ九曜紋のところで書き忘れました。

細川ガラシャは石田三成の「人質」になることを拒んで壮絶な死を迎えた女性です。バテレンは自殺を罪として禁じているため家老に介錯を頼み遺体が残らないよう玉造屋敷に爆薬をしかけ火を点けて自刃した、とあります。

その辞世として「細川家記」に記されている句。

散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ 」

天月トキの稿に載せるのがふさわしいと家紋の話ではなく、ここに追記します。
細川ガラシャが洗礼を受ける前の本名は明智珠、または「玉」です。


天草の石工

バーソロミュー・くまの名という後稿の中で、私はたぶん天月トキを一度も光月トキと書いていない。なんぞと思い込んでいる。
今読み返したら、ここでずいぶん光月トキと書いていて、単行本を読み返すまでは天月の名すら忘れていたのを思い出した。

しっかり読み返すとオセロの駒がひっくり返って、光月トキは天月トキとインプットされ直す。作者のそういう描き方が如実に現れている。
一捻りがおもしろいが、解けたあとは、けして想像や予想の妨げにならない。むしろ事実が相互に支え合う。

私の忘却力をもってしても、一度「天月トキ」と認識した細川ガラシャは別者には還りえず、バルトロマイの名とともに、天月、天草四郎とすんなりと繋がっていく補助線になっていた。